こちらは再度、卒業制作の機会を得て取り組んだ90㎝四方の作品です。
【作品への想い】
前回は、糸かけの原点を残そうと思って出会った糸かけを
『おもちゃ箱』と名付けて制作しました。
今回、90×90の作品を作成するにあたり、大きな円の中に糸をかけることにしました。
ピンの数は、369本。遠近ピンではなく、
均等ピンで中心があるものにしたいという衝動がありました。
探求の中で出会った、大きなピン数の選択をして、20と21を選びました。
自分がこの世に存在した20世紀と21世紀を表現できればと思ったからです。
板の背景は黒、真ん中の部分は素材そのものを活かしてそのままを使用しました。
子宮の中と思うことも出来、地球と思うことも出来る円の中に、
水の要素として青を中心に糸をかけることを決めました。
赤は、火でもあり、愛情でもあり、怒りの要素も含んでいます。
いつも冷静に、流れる水の青が赤を包み込むそんな重なりをしながら、恵の光。
太陽のあたたかさを入れました。
多くの事柄が渦巻いているが、それを包み込んでくれるものが重なり合っていく。
その様子を表現したかったんです。
制作の途中で、我が家のママ犬が虹の橋を渡ったあとに、黄色を掛けました。
動あるものが静に戻る時に置いていった数々の思い出(今回に限らず)でもあります。
そしてまた、静かな静寂に戻っていく。
そんなことも含めてこの作品を作り終えました。(作品提出 20220717)